御霊代石

長野県佐久市

新海神社の事代主命の社殿と誉田別命の社殿との間に高さ七尺(約二メートル)ぐらいの石がある。これを御霊代(みたま)石と呼んでいる。二体の水龍が刻まれていて、静かな時この石に耳をあてると、諏訪湖の水の音が聞えるという。(田の口、農、高橋大吉60)

『限定復刻版 佐久口碑伝説集 南佐久篇』
(佐久教育会)より

現在は、事代主命・誉田別命を祀る西本社と健御名方命を祀る中本社が並んで建ち、その間にこの御霊代石がある。胴部に「龍」が彫られているのだが、一般に思う龍の姿ではなく、どことなく中国竜山文化の竜文盤の図像を思わせるような姿が刻まれている。