水の絶えない蛇石

長野県佐久市

佐久市岸野の曽里の畑の中に、周囲三間ほどの石がある。これにバケツいっぱいも水の入る穴があって、年中水が絶えない。昔からこれを蛇石と呼んでいる。この辺りに住んでいた蛇を祀ったとも、また弘法様が現われた蛇を封じたともいう。またこの水をつけると、疣や疵が治るといって今も参る人が多い。

『限定復刻版 佐久口碑伝説集 南佐久篇』
(佐久教育会)より要約

不詳。現在は岸野という大字はないので、根岸か伴野の辺りかと思う。多くこのような水の絶えない凹みを持つ石は、雨乞いの対象になるが、ここではその話はなく、疣をとる、という験が語られている。