欄干橋の杉

長野県上田市

信綱寺の欄干橋のそばの杉の木には、いつも大蛇が住んでいたそうである。それが或る時、竜になって昇天してしまった。ところがそれからは、この木にいつも竜の角の様な枯れ枝が出来るという。

箱山貴太郎『上田市付近の伝承』
(上田小県資料刊行会)より

信綱寺というのは真田信綱の位牌所である信綱寺。真田家は中世この南に居館を構えていたという。引いた話に関しては、それ以上のことは不明。杉があるのかどうかも分からない。

しかし、大蛇が竜となるにあたりその住んでいた杉が注目されるというのは珍しいケースかもしれない。枝が角のようになったというのも特異な発想だろう。