むかしむかし、ちんよねさんという人が鴬宿に住んでいました。その人は、鉄砲を使って猟をするのがたいそう上手な人でした。
ある日、なんじゃもんじゃの峠の方へ猟に出かけました。すると、そこに大きな大きな大蛇(大きな太い蛇)があらわれました。うさぎも猪も一匹も捕れませんでしたが、その大蛇に飲まれそうになりました。
そこで、ちんよねさんは、その大蛇の首元めがけて、一発鉄砲を撃ちました。そして、こわくなったのであわてて家に帰ってすぐに寝てしまいました。
ちんよねさんは、その大蛇がどうなっているのか、なぜ飲まれそうになったのか……もう一度見たくなりました。二日たった夕方見に行って見ると、そこには白いとてもきれいな蛇が一匹死んでいました。
ちんよねさんはその蛇をそっとだいて、家に帰り丁寧に葬ってやりました。しかし、ちんよねさんも二日後に死んでしまいました。
それから、ちんよねさんの家では蛇を屋敷神様としてまつるようになりました。それからというものは、ちんよねさんの家はとても栄えて、大金持ちになったそうです。