ちんよねさん 山梨県笛吹市 むかし、ちんよねさんという鉄砲の上手な人が鶯宿にいた。ある日、なんじゃもんじゃ峠のほうに猟に行くと、大蛇が現れ、ちんよねさんは呑まれそうになった。そこで大蛇の首元めがけて鉄砲を撃ったが、怖くなってあわてて家に帰り、寝てしまった。 しかし、大蛇が気になり、二日ほどして見に行くと、そこには白いきれいな蛇が一匹死んでいた。ちんよねさんは蛇を抱いて帰り、丁寧に葬ったが、彼も二日後に死んでしまったという。それから、ちんよねさんの家では蛇を屋敷神と祀るようになり、家は栄えて大金持ちになったそうな。 芦川村教育委員会『あしがわの民話』より要約 大蛇と対峙した猟師の話。同鶯宿にはこれも同じ『あしがわの民話』に、米太郎という鉄砲の名手が滝戸山のヌシの大蛇を撃ったという話(「滝戸山の主を撃った話」)もあり、同じもののような気もする(ともに「よねさん」ではある)。 が、なんじゃもんじゃ峠とは「鶯宿峠のなんじゃもんじゃの木」があると知られる鶯宿峠のことだろうが、これは滝戸山の東側の峠となり、少し違う。同根の話の別採取といったところだと思うが、一応両方あげておいた。 ツイート