出会い淵

原文

鵜川と久米川との合流点は広い淵となり、出会い淵という。

ここは布巻き蛇という主がいると伝えられた。

それは旅人が通行すると向うの方に美しい布が落ちて見え、拾おうと思ってそばに行くと蛇になって、逃げる間もなく巻かれてしまう。こうして幾人かの人達が命を失った。

ある時、近くを通った侍がこれを聞いて気の毒に思って退治することにした。向うに見える赤い布を目がけて、弓で射止めたのを見ると途方もない大蛇であった。

それからは、何事もなくなった。

柏崎市教育委員会『柏崎市伝説集』より