麻で目をついた神様 原文 雨間の雨武主神社の神様は、荒っぽいことが嫌いでお宮の前で相撲をとったら、気にいらなくて雨を降らせたこともあるくらいでした。 或る日、神様は秋川の北にある畑へ出かけていきました。畑には麻がいっぱいつくられていました。麻のなかの道を歩いているうち、麻の根につまずき転んでしまいました。その拍子に麻の葉で片目を傷つけてしまいました。 これを聞いた人びとは、 「神様の片目を怪我させた麻をつくるのは恐れ多いことだ。」 と言うことになり、それからは、麻をつくらなくなりました。 唐澤健一『秋川昔物語 秋川市ところどころ』(秋川市教育委員会)より