蛇のたたり

東京都府中市

〈話者〉日新町 小松原キク(T5生)
〈調査者〉剣持弘子・樋口淳
おじいさんが蛇を生殺しにしたために、子どもに蛇の苔ができてしまった。子どもはそれを隠すために夏でも冬でも長いものを着ていたって。はやく殺せばいいものを、蛇はたたるから気を付けなければいけない。

:ながむしのたたり
〈話者〉白糸台 馬場キク(M32生)
〈調査者〉中村智子・森明子・間宮史子
ながむしのたたりってね、家の、あたしの家ねえ、あたし嫁にいった家、ひいろに来てた人があったの。その子がねえ、その息子がね、お盆の竹を取りにいったんだって、お寺の下へ。そん時にねえ、蛇がいたんだって。それね、へ、かまわなきゃよかったんだって。殺しちゃったんだってよ。ほしたら、見てもらったら、ながむしのたたりでねえ、とうとうずいぶん久しくわずらった。それで結局、命とられちゃった。ながむしのたたりっておっかねえだよな。

府中市立郷土館
『府中の口伝え集』より原文