弁天様と子供

千葉県富津市

弁天様が人間に姿を変えて種をおろしをした。子供が「父はどうしていないか、一目会いたい」と言うと、母親は仕方なく「弁天様だ」と教える。そのうち目の見えなくなった子供が、思案に暮れて弁天様の祭ってある池の縁で泣いていると、弁天様が大きな蛇の姿でザーザーと泳いできて、尻尾でコチョコチョコチョ三べん祓うと子供の目が開いた。
(川端豊彦・金森美代子『昔話研究資料叢書16 房総の昔話』1980.三弥井書店の梗概)

『日本昔話通観9』より