リュウガイ山

原文

高取山という山があるんですよ。公民館のすぐ西側にあるんだけどね。あれはね、昔、僕らが子どものころ、高取山とは言わなかった。「リュウガイ山」(※要害山)って言った。それからこのお隣の毛呂山町に「臥龍山」という山がある。

リュウガイ山とガリュウ山の、要するに、まっ、戦争かな、があったんです。日光の戦場ヶ原へ行くと、男体山ちゅう山があるでしょ。あれは昔、筑波の神と男体山の神でけんかして、そして男体山の神が勝ったんだと、その戦争した場所がこの戦場ヶ原だと、そういう話があるでしょ。その話とまったく同じように、このリュウガイ山と毛呂のガリュウ山の龍同士のけんかがあったと。で要するに神様同士のけんかだっていうんだね。その原因は何かっていうと、女の神様の取りっこでね、けんかをしたというふうな言い伝えがあるね。どっちが勝ったかそこまでは聞いてないけどね。女の神を娶った方が勝ったんだろうけどな。何回も争ったんだそうだよ。(越生)

越生町教育委員会『おごせの昔話と伝説』より