ショウブ湯・ショウブ酒

群馬県安中市

ショウブ湯 (五月)四日の夜、風呂の中へショウブの葉を入れたショウブ湯をたてる家もあった。この日は、女の慰安の日だから女衆が先に入る。しかし、ゆっくり入っていると「子が下がる」といった。

ショウブ酒 五月節供にはショウブの葉を刻んで酒に入れたショウブ酒を作って飲んだが、女は「子が宿らないから飲むな」といって飲ませなかった。(下秋間)

『安中市史 民俗編』より

竜蛇の話というわけではないが、蛇聟などでおなじみの菖蒲湯・菖蒲酒の民俗。蛇聟の話では、これで蛇の子が下りてしまう、と蛇が語る。これらは田植えの前などに早乙女が行う行事でもあったが、ここではその関係は語られてはいない。