山繭と鮫の魅入り

群馬県富岡市

上丹生:ヤマンメエの着物を着た人が舟に乗ると海が荒れたので舟に乗せなかった。(話者 大塚豊吉・明治三二年生まれ、池田秀夫氏提供)

南後箇:ヤマンメエの着物を着ると海を渡れないという。理由は定かではない。(話者 中野今朝吉・明治四〇年生まれ、池田秀夫氏提供)

野上:船乗りにヤマンメエは禁物とされていた。海が荒れるとか、嵐に遭うと言われていた。(話者 大塚又市・大正三年生まれ、池田秀夫氏提供)

高瀬:四国の金比羅様へ行く時、山繭製の着物を着て行くと、海のわにが来て、海に引き入れる、といわれた。わには、山繭が好物だという。(『富岡市史民俗編』、富岡市、一九八四、一九頁)

『群馬歴史民俗 第一五号』
(群馬歴史民俗研究会)より