毒島に城があって、どうにも攻められねんで、田原秀郷とか何とかってのが、そこの毒島攻めてきてよ、こっちへまわればこっちが沼広くなって、むこうへまわればむこうへ広くなって、そんな話したったね。毒島って城があって、まわりに沼があったんだね。それで、これは蜈蚣のしわざだってんで、毒を石の臼でついて、その石の臼が今でもあんだってんだね。その毒で、蜈蚣を殺して城を攻めたってね。蜈蚣がそういう悪いことをしたんで、臼で毒をついて、その水を流して、その蜈蚣を殺して城を退治したんだってね。毒島ってのは、深津のしもにあったんだね。(中之面 栗田登喜次)