ある夜のこと(それも昔)この神社(村社)の前を通ると、大蛇がこの御堂を七巻半も巻いて鳥居まで十間位の距離があったが、その鳥居に頭をのせていたそうだ。これは神様がお姿を換えられたのだという事で神社は立派に改築された。(河内郡富屋村智賀都神社)
智賀都神社は徳次郎三宿の総鎮守として健在。宝亀九年に日光三社の分霊を勧請と、大変古いことをいうが、実際鳥居のすぐ後ろでそれが鳥居のようにも立っている夫婦欅は樹齢七百年を超えるという(県指定天然記念物)。
神社の性質については「ちかつ」神社とは何かという難しい問題となるのでさて置く(ここは千勝森に勧請されたので森の名をとったという)。ここでは、神社の大蛇が鳥居に頭をのせてる例としてだけ引いた。
野州では、もう古河のほうだが野木の野木明神がまた大蛇となって鳥居に頭をのせて例幣使を迎えたなどという話がある(「明神さまの本体」)。どちらも日光街道の宿の里だ。他にも同条件の話があるかもしれない。