稲田姫と茶だち

茨城県笠間市

稲田姫は、稲田の地にお住まいになっておられた。ある日、蛇に襲われて逃げる時、茶の根株につまずいて転び、そのひょうしに松の葉で目を痛められてしまった。それからは、稲田の人々は茶の木や松の木を嫌って植えないようになったという。
今でも稲田神社はもちろん、信仰する人たちの中には、茶を飲まず、松の木を植えない家がある。(昭和四十五年、稲田小六年長本武比古の採話。四十六年、稲田小三年金沢光子・米川早苗・鈴木厚美共同採話)

笠間文化財愛護協会『笠間市の昔ばなし』
(筑波書林)より