狩人と大蛇

原文

佐藤庄之助という人が大勢の狩人といっしょに鹿狩りにいくが獲物がないので、友だちと別れて谷川にかわうそを捕りにいく。淵の真中に何か浮いてきたのでかわうそだと思って射ると、水の中にもぐり、水が真黒な血で染まる。男は恐ろしくなって逃げるが、途中で倒れて寝てしまう。大きな音がするので目をさますと、十尺もあるような白い幣束のような物が、木の枝と枝をぶつけている。男はそれをめがけて二つ弾をこめて射つと、それが消えて体が楽になり、夢中で家に帰り倒れてしまう。そのあと法印に祈祷してもらったりして、一年かかって正気になる。そのうちに大洪水があり、大蛇が流れてきた。(飯舘村史 p.496)

 

(相馬郡飯舘村大倉・男・梗概)

『日本昔話通観7』より