蛇冠石

原文

湖南町三代宿を通り過ぎて、国道二九四号線を勢至堂峠に向って、三キロメートル程行くと元唐沢部落に入る。その手前、東の山の中腹にあり、土地の人々は「蛇がぼり石」と呼んでいる。

昔、この山に、たむろしていた大蛇が、上から転げ落ちて来た二つの岩石を、途中で舌を出してがっちりと受け止めた。二つの石は、左右十メートル位離れて、上、下にあり、今でもその舌の跡が残っていると伝えられている。そのために、山麓の人々は難をまぬがれて、後々まで幸福に暮らすことができたという。(伝承地 湖南町三代:湖南町 鈴木幸雄)

 

湖南町三代の平伍端山の中腹に「蛇冠石(じゃかぼりいし)」がある。

昔、湍津比売神が蛇に姿をかえて、石上に現れたことから、その名がついたと伝えられている。また、一説には、石の形が蛇の頭に似ているから、名づけられたともいう。(伝承地 湖南町三代:「三代郷土史」)

郡山市教育委員会『郡山の伝説』より