侍の奥方が猫をかわいがっていたが、厠にまでついてくるようになったので気味わるくなった。主人にいうと猫は魔物であるから何かあるかもしれないという。その内に奥方は血の気が薄くなる病になってしまった。
これは猫が取り憑いたに違いないと、猫の首を切ってしまった。すると猫の首が厠の天井に飛び、もみ合って落ちたのをみると、猫の首は大蛇を噛んでいた。奥方の血を吸っていたのは大蛇で、猫は奥方を守ろうとしていたのだった。
これにより猫を「猫明神」として祀った。今でも、産まれた猫の子を猫明神に持って行くと、必ずもらい手が見つかるという。