池の主の知らせ

青森県下北郡東通村

盲目の和尚がある神社に泊まったが、毎晩和尚の後ろに来る人がある。和尚さんが、お前はなんだ、と尋ねると、声は自分はこの池のもので、年をとって身体は太くなり、池が小さくなったので、村を沼にする、人に話せばお前の命はない、といった。

しかし、和尚は自分一人が助かっても仕方がない、と村人たちにこのことを告げた。皆は、釘は池の主の身体に毒だと、戸や塀に釘を打った。それで村は潰されずに済んだが、池の主は逃げる時に、和尚の背中に爪を引っ掛けて飛んで行ったという。

『日本昔話通観2』より要約